2012年6月2日に、フォーラム「わが国の近代建築の保存と再生」に参加してきた。
今回のテーマは、第4回「昭和の近代建築」ということで、最初に東京大学名誉教授の鈴木博之先生の「わが国の近代建築:大正から昭和へ」の講演があった。
引き続き竹中工務店の加部佳治氏と中嶋徹氏の「明治生命館の保存と再生」と題した講演では、三菱2号館を解体し明治生命館を建設した当時の映像で始まり、改修工事におけるディテールなど興味深い説明であった。
このフォーラムは、武庫川女子大学 東京センターの主催のもと、日本建築学会、日本建築家協会、日本建築士会連合会その他の後援があり、日本工業倶楽部会館の2階大ホールで開催され、参加者は200名を超す盛況であった。
今回の参加希望者が500名超えであったそうで、次回の抽選結果が心配となるところである。
講演会終了後、竹中工務店のお二人に案内していただき改修となった明治生命館の見学会となった。
土日は一般公開もしているそうであるが、当日は閉館後ということで私たちのみでゆっくり見学できる機会に恵まれた。
昭和9年竣工の明治生命館の設計は、意匠が岡田信一郎氏、構造が内藤多仲氏であり、基本的には新耐震に対応できる建築であったことが、デザイン上好ましくない補強工事が不要で「保存と再生」にとって大きな事である。
建築工事費における人件費の割合が今日的状況でない時代であったからこそできた石工の素晴らしい仕事ぶりが随所に見て取れ、空間構成や部屋のデザイン、照明器具から家具まで時間を忘れて見惚れる程の見学会であった。
明治生命館はご承知の通り、立地の良さに加え建築のデザイン性や施工技術の確かさなどから、戦後GHQの目に留まり、接収されてアメリカ空軍司令部として使われた歴史がある。
現在でも2階の応接室は国賓がお見えになった祭、天皇陛下との接見に際してのお休み処として使用されるとのことである。
歴史的価値が髙く評価される建造物の再生として面目躍如たるところであろう。
次に、見学会のスナップを掲載する。
(阿部 泰資)
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