2015年7月28日火曜日

那須烏山市の「山あげ祭」

今年も栃木県那須烏山市では、724() から 2015726()の3日間「山あげ際」が開催されると発表されていた。
私が訪れたのは一昨年であったが、この時期に合わせて、他に類を見ない町衆の際について述べてみよう。
山あげ祭りは、江戸時代享保年間から歌舞伎を取り入れた祭りとなり、江戸末期には野外歌舞伎として現在の形が定着したと言われている。昭和に入り、まず県の国重要無形民俗文化財として指定を受け、更に国の重要無形民俗文化財に指定される。


6つの町が順番に「当番町」となり、演目を決め、「やま」と呼ばれる舞台背景などの路上歌舞伎の装置作りから運営までのリーダーを担当する。狂言の舞台後方に位置する路上100メートルの間に「大山」、「中山」、「前山」、「館」などを配置する。「大山」は10メートルを超える程の高さとなり、それぞれの「やま」には仕掛けを施しておき、狂言の進行に合わせて「やま」の表情を変え、大スケールでの野外劇として観客を楽しませる。「やま」は角材、竹、そして名産の烏山和紙で作り、移動し易く軽量化を図る。


















狂言が終了すると、すべての道具類は片付けられ、次の上演場所まで移動させることになる。150人からの若衆が一糸乱れぬ団体行動で片付けをする中、常磐津の三味線にあわせ踊り子達が美しい舞を披露する。
次の上演箇所と定められた路上で、もう一度最初からの舞台作りが始まる。各上演場所では、当番町によって予め決められた演目が上演される。明日は図書館前で、蛇姫様を見に行こうなどと話し合っている方もいた。
演目は「将門」や「蛇姫様」などが多いのだが、今年は「将門」、「蛇姫様」の他に、久しぶりの「乗合船」も演じられるという。

常磐津の三味線と唄、舞踊は、地元の小中学生、高校生と女衆の「山あげ保存会芸能部」が担当し、3日間のために一年頑張って準備をする。一方、若衆と長老は「やま」を担当して、夜な夜な制作に励む。
これが楽しみでもあり、地域コミュニティの核として機能しているのである。都市化と共に希薄になってゆくコミュニティにとって、祭りは重要な起爆剤だ。

今年3月に「烏山の山あげ祭」が日本政府の決定により、全国にある33の国指定重要無形民俗文化財である祭礼行事と一括されて「山・鉾・屋台行事」という名称で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産の代表一覧表への記載を目指して、フランスのパリにあるユネスコ事務局に申請されたというニュースが飛び込んできた。

(阿部泰資)

2015年7月24日金曜日

「葉桜の会」温泉旅行

学生時代の友人たちで時々酒を酌み交わす集まりが長年続いてきた。
三十数年も続いた頃、晩年まで続けようとの願いを込め、そのグループを「葉桜の会」と命名した。「たまには温泉にでも行こうじゃないか」、「今度の忘年会は温泉でやろうじゃないか」などと「葉桜の会・温泉旅行」が定着した。

皆齢を重ね、亡くなった者も2人おり、病欠が続く者もいるが、参加する者にとっては、元気でいることの喜びを確認し合うためにも益々大切な集まりとなっている。
当然、近場の都内で飲み会も重ねているのだが、温泉旅行に関して整理してみると下記のようなことになる。

2001年秋  栃木県 塩原・塩の湯  茗荷屋本館
2002年秋  栃木県 板室温泉    大黒屋別館
2003年夏  栃木県 奥鬼怒温泉郷  八丁の湯
2004年春  群馬県 奈女沢温泉   釈迦の霊泉
2004年冬  群馬県 猿ケ京温泉   猿ケ京ホテル
2005年冬  栃木県 那須温泉    大丸温泉旅館
2006年冬  群馬県 四万温泉    積善館
2007年冬  栃木県 塩原・元湯温泉 元泉館
2009年春  栃木県 塩原・新湯温泉 下藤屋
2009年冬  栃木県 塩原・元湯温泉 大出館
2010年夏  群馬県 下仁田温泉   清流荘
2010年秋  山梨県 奈良田温泉   白根館
2011年秋  福島県 甲子温泉    大黒屋
2011年冬  長野県 上諏訪温泉   油屋旅館
2012年春  群馬県 川原湯温泉   山木館
2013年春  埼玉県 柴原温泉    かやの家
2014年冬  新潟県 越後長野温泉  嵐渓荘
2015年春  山形県 銀山温泉    昭和館

前回のブログは「銀山温泉」であったが、下仁田温泉の回では途中で訪れた「富岡製紙場」についてブログを書き、上諏訪温泉を訪れた際はブログで「上諏訪の片倉館」を取り上げた。
ブログには上げていないのだが、四万温泉・積善館「山荘」の角部屋および「元禄の湯」、甲子温泉・大黒屋の「勝花亭」および「大岩風呂」、越後長野温泉・嵐渓荘の「緑風館」など、興味深い建築の宿も好んで訪れている。

次回の予定は、2015年秋に長野県の渋温泉で金具屋に宿泊する計画である。
毎回パンフ(A4 表裏)も作成しているのであるが、未だ行っていない状態で作成するため、写真等は宿泊先のサイトからキャプチャーを撮らせていただいたものとなる。
 
男女3人ずつで予約した2室とも、木造4階で次の間付きの最上級客室である。
参加者は皆、建築家であり、重文指定の斉月楼に宿泊できることを楽しみにしている。

(阿部泰資)

2015年7月21日火曜日

銀山温泉

久しぶりにブログを再開する。

同期のグループ「葉桜の会」のメンバーと山形の銀山温泉に行ってきた。
全員高齢であり、「大人の休日倶楽部」会員特権のJR3割引き切符での新幹線乗車である。大石田駅は新幹線の地方駅に見受けられる所謂「何もない駅前」の典型と言ってよい駅である。
大石田駅から銀山温泉には「はながさバス」会社の路線バス「レトロボンネットバス」に40分程度揺られることになる。

銀山温泉は、川沿い両側に木造3階建の旅館が立ち並ぶレトロな温泉街である。




















日曜日の午後着であったが、連泊の客も含め、かなりな人出である。
一般的温泉街と異なる点は、木造3階建てがひしめく独特の雰囲気そのものが主たる目的の如き行動である。
温泉旅行で人気の露天風呂がない(新たに作る平地がない)ことで、客層が自ずとレトロを好む人々中心となるのも頷ける。














山形県は長野県と共に蕎麦屋の多い地方である。特に大石田地区は「そば街道」と銘打ち、そばの一大名所となっている。
大石田駅構内にある「ふうりゅう」という蕎麦屋も本格手打そばの名店である。駅構内の蕎麦屋は立食そばが一般的であるが、ここでは流石「そば街道」と認めざるを得ない。
開店を待って、お決まりの天ぷら、名物のゲソ、身欠きにしん等々をつまみに焼酎の蕎麦湯割を飲み、仕上げの蕎麦を食べると新幹線の時刻が近づく案配となる。

後はお決まりの全員車内熟睡での帰路となる旅であった。

次回の「葉桜の会」温泉旅行は長野・渋温泉の木造4階建て旅館「金具屋」の予定である。

(阿部泰資)